軽減税率 政府も検討 消費増税法案審議の焦点に
産経新聞 5月20日(日)7時55分配信
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消費税増税関連法案が17日の衆院社会保障・税一体改革特別委員会で実質審議入りし、政府側から軽減税率の導入に前向きな意見が相次いだ。野田首相は「与野党で真摯(しんし)に胸襟を開いて議論を進める」と発言。翌18日には安住淳財務相が「幅や対象などの案が出てくるのであれば議論したい」と述べ、野党から具体的な提案があれば協議に応じる姿勢を示した。
消費税増税では、低所得者ほど負担感が強くなる「逆進性」が問題視される。このため、政府は所得に応じて納税額の一部を戻したり、現金を給付したりする給付付き税額控除を法案に盛り込んだ。給付額や給付の対象範囲が広がれば、単なる予算のバラマキにつながる危険をはらんでいる。
一方、欧州などでは軽減税率の採用が一般的だ。
消費税にあたる付加価値税の標準税率が20%程度と高いため、生活に欠かせない食料品や医薬品などの税率を低く抑え、暮らしへの負担を減らしている。
英国では家庭で使う燃料や電力は5%、食料品や医薬品は0%、フランスでは食料品が5・5%、医薬品は2・1%といった具合だ。
また、文化を保護する配慮もみられる。フランスやドイツでは新聞や雑誌が軽減税率の対象になっているほか、スウェーデンでは映画鑑賞やスポーツ観戦にも軽減税率を適用している。
これに対し、日本で政府が軽減税率に消極的なのは、増税しても税収が思ったほど伸びないデメリットがあるからだ。財務省によると、英国では軽減税率の導入によって、しなかった場合と比べて税収が約4割減った。
対象品目の合理的な線引きが難しい点も壁になっている。ドイツでは、同じファストフード店のハンバーガーでも、店内で食べれば外食とみなされ、19%の標準税率がかかるが、持ち帰れば食料品として7%の軽減税率になる。事務処理が複雑で「事業者の負担が増える」(財務省幹部)との指摘もある。
消費税増税をめぐっては、民主党内の増税反対派の抵抗で削除されたが、政府は法案の原案に税率を10%に引き上げた後の再増税を示唆する「追加増税条項」を盛り込んでいた。財政健全化を実現するには、税率を10%にしてもなお約6%分の財源が不足しているからだ。
将来的には欧州並みの高い税率への引き上げが視野に入る中、増税に対する国民の理解を得るために軽減税率の効果について十分な検討を重ねる必要がある。

